2019/04/14 02:53


2012年ごろ、映像配信の現場で、手元にないビデオカメラを制御したくて導入したBescor社のリモート電動雲台MP-101。130USドル前後で売られている非常に安価な電動雲台で、リモコンの延長ケーブルを自作して使っていました。

ビデオカメラの画角の制御もズームの制御もしたくて、LANCのリモコンの延長ケーブルも作成していました。LANCはソニーによるビデオカメラの制御用リモコンの規格の1つですが、現在ではキヤノン、JVCなどの業務用ビデオカメラの一部が対応しています。

以下の写真の状態で、リモコンのケーブルを延長して使っていたイメージです。

実際に現場で使っていると、2つのリモコンを操作しないといけないこと、複数のビデオカメラとMP-101を制御したいとなると、リモコンのセットも複数となって、いちいち持ちかえないといけないということ、またケーブルが重くかさばるため、ワンオペの現場では厳しく、それらの問題を解決したくて開発し、いろいろあって細々と販売しているのが「MP-101無線リモコンキット」です。一部では「加賀式リモート雲台」とも呼んでいただいています。

配信仕事仲間の繋がりなどで、幸いにもこれまで100セット以上を出荷している当キットですが、完成品と、電子部品とプリント基板・ケースをセットにした自作キットの2つのスタイルで販売しています。あくまで、業務の傍らで、個人で開発・製造しているスタイルのため、在庫が潤沢でないなど、ご不便をおかけすることもあるのですが……。

詳細は販売サイトなどでも紹介していますが、1つのリモコンで、最大4セットのMP-101のパン・チルトとLANC対応ビデオカメラの制御が可能です。LANCの対応機能はビデオカメラによって異なりますが、キヤノンのHF G10、G20、XA20、XA25、XA30、XA35などではズーム・録画開始終了・MF/AF切り替え・マニュアルフォーカス・OSDのON/OFFが切り替えられます。その他のLANC対応カメラでもズーム・録画開始終了は動作します。

MP-101のパン・チルトの速度は、ジョイスティックの傾ける角度によってある程度調整できるほか、MP-101内部のモータドライバへの供給電圧を3段階で変化させることでの速度制御も可能です。

無線の通信方式はWi-Fi、Bluetoothなどと同一の2.4GHz帯のXBee Series 1(IEEE 802.15.4)の無線モジュールを利用しています。無線モジュールのスペック上は「室内・アーバンレンジ で60m、屋外・見通しレンジ で1200m」となっており、当方での利用ではホールなどの屋内で30m、屋外で100m程度の使用実績があります。

映像についての伝送はサポートしていませんので、別途映像を手元で確認する手段は必要となります。

私の現場では、収録オンリーの場合は、ビデオカメラのWi-Fi機能でスマートフォンなどで画角を確認している場合もありますが、基本的にはライブ配信のため、手元のスイッチャまではHD-SDIなどでケーブルで引き回しており、スイッチャのマルチビューなどをみながら操作する場合がほとんどです。

なお、MP-101もLANCも雲台の向きやズームの状況を外部から得る方法がないため、残念ながら画角などをプリセットして、呼び出せるような機能は実現できていません。

無線ではなく、有線で確実に通信したいということもあり、有線LANバージョンの試作などもしたことはあるのですが、製品化となると課題もいくつかり、結局自分の使用では無線で困ることがほぼないため、現時点では製品化の目処はたっていません。

また、ソニー自体がLANCに対応していない製品を出してきていることもありますし、パナソニックGH5なども利用が増えていることもあり、LANC以外のカメラのサポートは検討しています。パナソニックについては、DMC-FZH1に対応した試作品ができていますので、GH5などでも使えるものが、じきにリリースできるのではないかと思っています(ただしパワーズームのレンズでないと動かないので、利用シーンは限られますが)。

要望などがありましたら、FacebookのMP-101無線リモコンキットのページなどでお知らせいただけると幸いです。